【書評・要約】『人生は、運より実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ー錯覚資産を作り成功するには?

同期の○○と比べて、自分は周りに評価されない、、
こんなことを思ったことはありませんか?
「仕事で自分の方が仕事ができると思っているのに評価されていない気がする。逆になんであいつは出世できているんだ」
仕事において、こういう不満はよくあるのではないでしょうか。
本人が自分の実力を過大評価しているのでしょうか。
それとも運が良かったのでしょうか。
もしかしたらそれは「錯覚資産」によるものかもしれません。
「錯覚資産って何?初めて聞いた!」って思う人が多いかもしれません。
私も「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」を読んで初めて知った概念でした。
初めて見た時はかなり挑戦的なタイトルだと思った記憶があります。
しかしこれは単に周りを欺く力ではありません。
知っているのと知らないとでは今後の生き方が変わるかもしれません。
「錯覚資産って何?」「いや何だかんだ実力が大事でしょ」と思う方は是非ご参考ください!
目次
本書で学べること
- 「錯覚資産」とは何か、その重要性
- 物事を勘違いする様々なメカニズム
- 「錯覚資産」の増やす方法
「錯覚資産」についての考え方、そして「錯覚資産」を補完する様々な認知バイアスを知ることができます。
そしてその「錯覚資産」はどのような要素でつくりあげていくのかを学ぶことができます。
この点が皆さんが一番気になるところかもしれません。
心理学をベースとして書かれていますが、専門的な心理学の知識は必要ありません。
本筋の途中ところどころでオーディエンスによる突っ込みが入っており、読者を置き去りにしない構成となっているのでご安心ください。
『人生は、運より実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』の内容
著者は、ブログ「分裂勘違い君劇場」を運営しているふろむださんです。
数百万人に読まれたブログであり、また複数の企業を創設した実績があり非常に幅広く活躍されている方です。
ブロガーとして書かれた読みやすい文章に加え、図やイラストなども豊富な為、とても分かりやすいです。
錯覚資産とは
先ほどから散々「錯覚資産」という言葉を使っていますが、そもそも「錯覚資産」とは何なのでしょうか。
端的にいえば、「あの人なんかすごそう!」というものです。
容姿や肩書が良い、または大きな実績があるという1つの要因だけで、その人がすごい人だと思うことがありますよね。
かっこいいから、有名企業に勤めているから、といってその人の全てが優れているかは分からないのにも関わらず、全体的なイメージが底上げされることは容易に想像がつきます。
このような現象は、思考の錯覚です。
もちろん、錯覚の中には自分にとって都合が悪いものもあります。
そういったものは、いわゆる資産とは言えませんよね。
「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能するということだ。
人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」本文より抜粋
つまり、自分にとってプラスに働く勘違いのことを「錯覚資産」と呼んでいるということです。
認知バイアスと錯覚資産
認知バイアスという言葉は聞いたことがあるかもしれません。
認知バイアスとは、単純にいえば思考の錯覚です。
様々な認知バイアスがこの本で紹介されています。
- ハロー効果
- 少数の法則
- 運を実力だと錯覚する
- 後知恵バイアス
- 利用可能性ヒューリスティック
- デフォルト値バイアス
- 認知的不協和の理論
- 感情ヒューリスティック
- 置き換え
- 一貫して偏ったストーリーを真実だと思い込む
知っているものもあるかもしれません。
細かい内容なので全て解説はできませんが、1つずつ詳しく知りたいという方は、是非読んでみることをお勧めします。
3つの脳の過剰性
そしてこれらの認知バイアスは、3つの脳の過剰性が引き起こしているようです。
一貫性を求める
⇒ 一貫していることを好み、一貫していないものにも一貫性も見出す、一貫させようとする
原因を求める
⇒ 偶然の結果にも原因をつくる、見出そうとする、判断材料が不十分でも原因だと断定する
結論を急ぐ
⇒ 判断材料が少なくても結論を出す、対象をよく知らなくても結論づけるなど
つまり、この3つを認識することで、錯覚を利用し、自分が有利な立場に立てるということです。
また、著者は認知バイアスについては、不可視性が大事だと言っています。
認知バイアスは無意識のうちに記憶を書きかえ、そのことに気づかないという性質があります。
したがって、思考の錯覚を認識することができない為、他人からは知られることなく自分の武器として使えるのです。
逆に他人が錯覚を武器として使っていても、私たちは気づくことができません。
最後まで騙されていることにすら気づかないとは、「錯覚資産」恐るべしです。
錯覚資産を作るには
錯覚資産と認知バイアスについておおまかに分かったかと思います。
私にとっては、この内容だけでも目から鱗でした。
ここからは、錯覚資産の作り方を考えるにあたって、重要な情報を紹介します。
錯覚資産の重要性
「結局錯覚資産がある人は、元々の実力があるのだから錯覚資産よりも実力が大事でしょ。」と思う方も多いかもしれません。
しかしどうやらそうでもないというのが著者の意見です。
「実力がある」から、よいポジションを手に入れられるわけではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、良いポジションを手に入れられているという部分が大きいのだ。
「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」本文より抜粋
本来実力があっても、周りから認知、評価されていないとよいポジションは得られません。
よって、実力があると錯覚させられる人の方が、よいポジションを手に入れ、そのポジションで実力をつけることができるという好循環を生むことができます。
さらに、著者は成功するということにおける、3つのループを示唆しています。
1.実力⇒成果⇒錯覚資産⇒環境⇒実力⇒・・・ (上記の通り)
2.錯覚資産⇒成果⇒錯覚資産⇒・・・
(成功した人が本を出すと売れやすいなど、錯覚資産により成果が出る、成果が錯覚資産に繋がる)
3.環境⇒成果⇒錯覚資産⇒環境⇒・・・
(良い環境で優秀な周りと協力し合い成果が出せる、その成果が錯覚資産に繋がる、錯覚資産がより良いポジションに繋がる)
この3つのループをそれぞれより多く回していくことが、成功に繋がるということです。
皆さんお気づきでしょうか。
この3つのループのうち、実力は1つ目のループにしか存在しません。
これが錯覚資産が実力よりも重要だと著者が主張している理由です。
そして錯覚資産がないとこのループは1つも回りません。
皆さん錯覚資産の重要性が分かりましたか?
成果と環境の重要性
著者は成功と環境については深く触れていませんでしたが、 その他の要素についても私なりに考えていきたいと思います。
上記の成功のループには、成果も3つのループ全てに出てきます。
成功するのに成果が大事なのは言うまでもありません。
しかしここで注意すべきは、成果が錯覚資産に繋がるとはいえ、どんな成果も錯覚資産に繋がるのではありません。
錯覚資産に繋げるには、評価されやすい分かりやすい成果を出さなければいけません。
また、環境も2つのループに絡んでいます。
環境も同じく、ポジションがあがったからといってどんな環境でも良いかといわればそうではありません。
・どんな成果を出せばより良い錯覚資産に繋がるのか
・どんな環境にいればより実力に繋がり、成果を出しやすいか
この2点を考えることが重要だと思われます。
そしていわゆる「効率が悪い努力」というのは、どんな成果を出すか、どんな環境を目指すかという選択を誤ってループを循環させられていない状況のことではないでしょうか。
周りからの評価が悪いと自分は実力がないのかと思ってしまいます。
しかし、実はもう十分に実力はあるけれども、成果の出し方と環境の選び方が間違っているという可能性も考えられます。
著者は成功と環境については深く触れていませんでしたが、 錯覚資産に加え、私なりに考えたこの観点も意識してみようと思いました。
錯覚資産は複利で増える
「錯覚資産」として効果を発揮するのは、「ハロー効果」という錯覚です。
聞いたことがある人もいるかもしれません。
ハロー効果とは、何か優れている箇所があると、他の点も優れているかのように錯覚されることです。
例えば、職場パソコンの使い方について詳しいが、他の仕事遂行能力は平均以下の人がいるとします。
しかし、パソコンについて誰よりも詳しいという点が知れ渡っている場合、他の仕事の出来に関わらず、仕事ができる人だと周りから思われる、ということが往々にしてあります。
そしてハロー効果による錯覚資産は複利で増えていきます。
1.ハロー効果⇒多くの人に印象に残り「思い浮かびやすくなる」⇒よい環境をゲットする
2.「思い浮かびやすい」⇒ハロー効果
この2つのループに、上記の成功のための3つのループも加味してみます。全てのループの相乗効果で増えていくというわけです。
錯覚資産をつくるために何もしなければ、0のままです。
しかし、一歩でも行動すれば、長期的に見れば複利のより大きな差を出すことができるというわけです。
比例ではなく指数関数
成功するための要素が複利というのは非常に面白い考え方だと思いませんか?
私たちは努力した分と比例して結果に繋がると考えがちです。
しかし、世の中の成功している人は、錯覚資産を利用してその錯覚資産を複利で増やしながら、より大きなものを掴んでいるのです。
投資の世界でも、富める者がより富を得ると言います。
それはどうやら金銭的資産だけではないようです。
この法則を理解しなければ、この世の中で成功することはできないのです。
まずは一歩踏み出さなければ、既に踏み出した人ととんでもない差がついてしまうのです。
まとめ
「人生で大事なのは実力か運か」というのは誰もが考えたことがあるかもしれません。
しかし、著者はこの議論に対し、全く違う観点から切り込み、そして私は見事に納得させられました。
これを10代の頃、せめて社会人になる前に読んでおけばよかった!
素直にそう思います。
ここでは、紹介できなかったこともたくさんあります。
是非読んでみてください!