【書評・要約】「自己肯定感の教科書」ー自己肯定感が低い人が折れない自分になる方法

2022年3月18日

自己肯定感が低くて、すぐに心が折れてしまう、、

このような思いを感じていませんか?

自分はどうしていつもこうなんだろうとか、自分に自信がなくてどうすればいいのか分からない

こんな思いをされている方はたくさんいることかと思います。

いわゆる「自己肯定感」が低いという状態です。

逆に自己肯定感が高まれば、自分を自信がつき、折れない心を手に入れることができます。

そんなこと分かっているけど、そんな簡単に改善できるなら元々低くなってないよね?

確かに、そんな現状を打破できないから、より一層自己肯定感の低さに苛まれている方もいるかもしれません。

しかし、「自己肯定感の教科書」には、折れない自己肯定感を少しずつ手に入れる具体的な習慣が紹介されていました!

「自己肯定感を高めたい」「折れない心をつくりたい」

そんな方は是非ご参考ください!

『自己肯定感の教科書』から学べること

1.自己肯定感を形づくる要素
2.自己肯定感を短期的に上げる方法
3.自己肯定感を長期的に高め、折れない心をつくる方法

この本はまず、自己肯定感と一言で言っても、どのような要素で自己肯定感が醸成されているのかについて学ぶところから始まります。

後半では、まず短期的に自己肯定感を改善する方法、最終的に長期的に自己肯定感が高い状態をキープするにあたって有効な方法が紹介されてされています。

具体的な事例をともに紹介されている為、非常に理解しやすい内容となっています。

『自己肯定感の教科書』の内容

著者は中島輝さんです。

小学4年生の頃から心の病に苦しみ、25歳でパニック障害と過呼吸の発作が悪化し、そこから10年の引きこもりを経て現在は心理カウンセラーとして活躍されています。

想像を絶するような苦労されてきた方だと見受けられます。

自分が苦しい時期があったからこそ、多くの人に寄り添うことができるのだと思います。

そしてこの本は、そんな著者が追い求めてきた自己肯定感についての決定版ともいえるでしょう。

自己肯定感の「6つの感」

自己肯定感とは一体何でしょうか。

皆さんは自己肯定感という言葉の意味、具体的に説明できますか。

私自身も、この本に出合うまでは、曖昧なイメージはあるけれども明確な定義や説明はできませんでした。

著者は、自己肯定感を「6つの感」として分けて説明しています。

自己肯定感と一言で言い表されますが、それらは6つの要素から成っているというわけです。

1.自尊感情・・・自ら生きる価値を認識し、自分の活かされた命を大切にする感情
⇒自分自身に満足しているか?

2.自己受容感・・・自分のポジティブな面もネガティブな面もあるがままに認められる感覚
⇒自分が完璧ではないことを認め、不完全な自分を受け容れられるか?

3.自己効力感・・・何らかの問題に対し、有効なプランを立て、実行する自信がある感覚
⇒自分が直面する問題に対して、自分の力で計画し挑戦できるか?

4.自己信頼感・・・自分を信頼して行動する感覚
⇒自分の挑戦する道を信じて、自信も持って進むことができるか?

5.自己決定感・・・自分で決定できるという感覚、幸福度と比例する。
⇒自分の人生をどのくらいコントロールできているか?

6.自己有用感・・・周囲の人や社会との繋がりの中で自分が役立てているという感覚
⇒相手を喜ばせることができているか?社会に貢献できているか?

以上の6つが自己肯定感の「6つの感」です。

皆さんはそれぞれの感覚をどれくらい持っていますか?

私は自己肯定感あると思っていたけど、自己信頼感とか自己決定感は持ててないな、、

私の認識としては、自己肯定感は自尊感情や自己受容感のイメージが強いです。

しかし、実際は自尊感情や自己受容感だけでは不完全で、6つ全てが揃って初めて折れない心が身に付くというわけです。

自己肯定感を高める方法

自己肯定感の要素は分かったけど、結局どうすれば自己肯定感を高められるの?

自己肯定感を高める方法については、瞬発型と持続型に分けて紹介されています。

瞬発型とは「自己肯定感がパッと一瞬で高まる方法」です。

つまり、即効性があり、今現在自己肯定感が低い状態からひとまず抜け出したいという方に有効な方法です。

一方で持続型とは、「自己肯定感をじわじわと高める方法」です。

即効性はありませんが、徐々に自己肯定感を上げることができる考え方で、長期に渡って自己肯定感を維持する為に必要な方法です。

そして、これらを組み合わせることで、より強く折れない自己肯定感を手に入れることができます。

瞬発型ワーク

平日に自己肯定感を高めるワーク
1.「ヤッター」のポーズ
2.鏡の中の自分にポジティブな言葉をかける
3.好きな風景のポスターや絵を玄関に飾る
4.少しだけ歩いてみる
5.「私ってイイ人!」と思って挨拶をする
6.トイレで手のツボを触る
7.仕事のデスクの上に好きな小物を置く
8.PCから目を離して眼球を休ませる
9.好きなものだけを見る時間をつくる
10. 仮眠をとる
11. おやつを食べる
12. 立ち上がってみる
13. 良好な関係の人と話す
14. 寄り道をする
15. バスタイムに目のヨガをする
16. セルフハグ
17. 明日着る服を決めておく
18. 十分な睡眠をとる

週末に自己肯定感を高めるワーク
19. 休日だからこそ早起きをする
20. 自分で決めて楽しく実行する
21. 5分だけ掃除をする
22. 夕暮れどきは明るいところに行く
23. 30秒のマインドフルネス瞑想法
24. 自己肯定感体操

1つずつの方法簡単で、普段からやっていることもあるかもしれません。

こんな当たり前のことで、本当に自己肯定感が上がるの?

確かに1つだけでは微力で効果が薄いかもしれません。

しかし、平日と週末でそれぞれいくつかの方法を習慣化することにより、確実に気分が変わってきます。

特にこれは私目線ですが、睡眠や目の保養など、身体に関することは重要だと感じます。

自己肯定感は常に上下するものですが、身体との連動も見逃せない要因だからです。

同じ嫌なことが起きても、体調が悪いときは、よりその出来事が負担に感じることはありませんか?

嫌なことが起きた際に、自己肯定感を下げるきっかけにしない為にも、常にできるだけ良い身体の状態をキープしておくことが必要です。

その為にも、PCから目を離して眼球を休ませる、仮眠をとる、早起きをするなどは真っ先に取り組むべきだと思います。

その他全てを紹介することはできない為、気になる方は自分がやろうと思った部分だけでも読んでみることをおススメします!

自己肯定感を高めるワーク3選

自己肯定感の6つの要素と自己肯定感を高める瞬発型のワークについて、イメージできましたでしょうか。

次は、持続型ワークについて、特に実践しやすい有効だと思ったものを紹介していきます。

if,thenプランニング

if,thenプランニング とは、何かがうまくいかなかった際に、もしうまくいかなかったらどうするかを予め決めておくことです。

もし~になったら(if)、その時は~する(then)という方法です。

例としては、上司に急に呼び出されたとします。

上司から今の仕事の成果について、叱責を受ける可能性があるという場面を想像してみてください。

その場合、怒られるかもしれないな~と思っているだけではいたずらに不安になってしまいます。

よって、もし怒られたら、「とりあえず深呼吸して、一度謝罪の言葉を口にする」と決めておきます。

恐れていることが起きた場合にまずどうするかを決めておくということです。

とりあえずどうするか決めただけでも、気持ちが軽くなった気がする!

特に自己肯定感が低くなっている人は、悲観的で悪い可能性を考えがちです。

しかし、そんな悲観的な時こそ、悪い可能性に対する対処を明確にしておくことで、それ以上負の思考が暴走することを止めることができます。

負の思考の加速を止めることで、自己肯定感をさらに下げるループを断ち切ることができます。

私もこれまで、悪い可能性を考えがちでした。

しかし、ふたを開けてみると恐れていたことは起きなかったということがよくありました。

その度に、過剰に恐れることを止めたいと思っていましたが、考えないようにすればするほど考えてしまいます。

考えてしまうのであれば、その恐れていることを受け止めて、その場合にとりあえずどうするのかだけでも決めてしまう。

「考えないようにする」よりも、その方がよっぽど現実的な対処法ではないでしょうか。

脱フュージョン

こちらも不安な感情を遠ざけることができる方法です。

例えば、いらいらして友人に少し強くあたってしまったとしましょう。

その後、「自分はこれだからいけないのだ」と自分が嫌になり、自分を責めてしまいます。

そんな時、「俺は・私は最低だ」と小さい声で一度口にだしてみます。

その後、頭の中で何度か繰り返し、その後すぐに「・・・と思った」と付け加えます。
「友達に辛くあたってしまった」「俺は・私は最低だ」「と思った」

そして「俺は最低だ」と小さく口に出し、その後「・・・と思ったことに気づいている」と付け加えます。
「友達に辛くあたってしまった」「俺は・私は最低だ」「と思った」 「ことに気づいている」

ここまで言葉を付け加えることで、「自分は最低」ではなく、「自分は気づいている」という主語と述語の関係になります。

こうして、自分を責める気持ちから少し離れることができます。

どんなに強いネガティブな負の感情も口に出してしまえば、単なる言葉に過ぎないことに気づくことができるのです。

「自己肯定感の教科書」本文より抜粋

そして、ネガティブな負の感情が続き自己肯定感を下げてしまうことを防ぐことができます。

皆さんも是非口に出してみてください。

もちろん周りには聞こえないようにしてくださいね!

レファレント・パーソン

レファレント・パーソンとは、行動心理学の言葉です。

自分のあり方や生き方の価値基準の参考になる人物のことです。

簡単に言い換えると、尊敬する人、自分がなりたいと思う憧れの人です。

皆さんは尊敬する人・なりたいと思う憧れの人がいますか?

私は考え方という観点から野球選手のイチローさんが該当します。

例えば、最近のイチローさんの好きな言葉は、プレッシャーについての話です。

引退後、イチローさんは高校球児の指導に携わっています。

ある時高校球児から、「プレッシャーがかかる場面で自分の力が出せないんですが、プレッシャーも楽しむには?」という質問を受けました。

イチローさんは「楽しむなんて無理、プレッシャーからは逃れられない。そこに立ちたいなら覚悟を決めるべき」

という言葉を残していました。

私もこれまで重要な場面で緊張することに、負い目を感じていました。

しかし、「楽しめない、覚悟が必要」という考えに自分を奮い立たせられたと感じました。

皆さん一人ひとり自分の好きな偉人や有名人がいるかと思います。

「もし私が○○だったらどう考えるか?」
「もし私が○○だったら、これからどういう行動をとるか?」
「もし○○が今の私を見たら、どうアドバイスしてくれるか?」

○○にそれぞれのリファレント・パーソンを入れてみて、客観的な視点から悩みに対して考えてみてください。

尊敬している人はいるけど、実際にその人みたいに行動できるわけじゃないし、、、

もちろん、その人になりきり実際にその人と同じ行動・同じ結果を目指す必要はありません。

自己肯定感が下がっている状態だと、私たちはよりネガティブになり、「できない理由」を探してしまいます。

しかし、レファレント・パーソンを設定し、視野が広がり、セルフイメージが高まることによってその認知の歪みをを正すことができます。

いつも揺るがないしなやかなモノの見方と視野の広がりを与え、歪みの存在に気づき修正するための強力なトレーニングなのです。

「自己肯定感の教科書」本文より抜粋

まとめ

自己肯定感は良いこと悪いことが起きる度に日々変化しています。

持続型のトレーニングは、日々の自己肯定感を上げる要素により着目し、下げる要素はそれ以上考えないようにするという考え方が根底にあると感じます。

確かに、生まれてから長い時間をかけて形づくられた自分の現状を、急に変えることは難しいかもしれません。

しかし、自己肯定感は、低ければ低いほど、さらに下がる思考に陥ってしまい、負の連鎖を生んでしまいます。

その連鎖を断ち切る為に、これを読んで何か少しでも気付きを得てくれれば幸いです。

自己肯定感を高める方法がもっと知りたい方は、是非読んでみてください!