【書評・要約】『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』ー精神科医中村恒子先生から学ぶ人生論
嫌なことが多すぎて人生疲れた、、、
こんな思いをしている方はいませんか?
周りの人間関係、仕事、家族、将来の不安など、生きている限り様々な悩みと対峙することになります。
一見、思い通りに生きてそうな人でも、全てがうまくいっているとは限りません。
仕事が順調でも、家族関係は冷え切っているかもしれません。
幸せな家庭を築いていても、職場の人間関係は悪いかもしれません。
人生全てがうまくいくことなど、ほとんどあり得ないといえるでしょう。
それでは、私たちは一生幸せにはなれないのでしょうか?
そんな私たちの気を楽にしてくれるのが本書『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』です。
人生の悩みについて、優しく語りかけてくるようなそんな本です。
是非ご参考ください!
目次
『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』はこんな人におすすめ
本書は、人生に迷っている、人生がうまくいっていないと感じる人が読むべきです。
特に、人生あれもこれも叶えたいと思っているが故に、逆に満たされず苦しんでしまう人にこそ、本書を読んでみて欲しいです。
本書の考え方を知ることで、今までよりも少し楽な気持ちで生きていくことができるでしょう。
『心に折り合いをつけてうまいことやる習慣』はどんな本?内容は?
本書は、精神科医の中村恒子先生に語ってもらったことを、同じく精神科医である奥田弘美さんが文章としてまとめて出版したものです。
中村先生は、1929年生まれ、第二次世界大戦を経験し、終戦直前に大阪で精神科医となりました。
その後、2人の子育てと並行しながら、なんと88歳まで週6日フルタイムで働いてきました!
特に出産を経て復職した時期は、家族との関係のこじれ、精神科医としてもとにかく仕事に追われる日々だったようです。
中村先生自身もとても苦しい時期を過ごしてきたんだね
そして、奥田さんは、2000年に中村先生と出会い、内科医から精神科医に転科した経歴があります。
そんな大きな影響を受けた中村先生の考え方を、多くの人に知ってもらうために本書を執筆したそうです。
本書は、中村先生の精神科医としての見識と、これまでの人生の経験を経て蓄積した考え方が、奥田さんの強い思いによって形になった本なのです。
折り合いをつけるとは
本書の表題でもある、「折り合いをつける」とはどういうことでしょうか?
中村先生は、どうしようもない問題がある時の心の対処法として以下のように語っています。
現実と自分の気持との間でどう折り合いをつけていくか、ということやないかと思います。
『折り合いをつけてうまいことやる習慣』本文より抜粋
それって要するに諦めるってこと?
確かに言い方としてはそうなるかもしれません。
良い意味で諦めるという心持ちが必要ということです。
周りの人間関係であったり、仕事環境というのは、自分1人の力で何とかなるものではありません。
自分が幸せになるのは、それらのどうにもならない問題に対して、いかに「うまくやっていくか」です。
それが中村先生の考え方のエッセンスです。
うまいことやっていく考え方4選
中村先生の波乱万丈の人生の中で培ってきた「うまいことやる習慣」が、本書ではたくさん語られています。
気になった言葉を挙げていくので、一緒に見ていきましょう!
何かから「逃げたい」と思っているあなたへ
そもそも人間が大きな決断をするときには、前向きなきれいごとだけではないもんです。「がんばりたい」という前向きな気持ちも、「逃げたい」という後ろ向きな気持ちも、どっちもあるのが普通でしょう。つまり、「逃げたい」という気持ちも、人生を変える原動力の一部なんです。
『折り合いをつけてうまいことやる習慣』本文より抜粋
「逃げる」とは、多くの場合マイナスな意味で捉えられます。
しかし、中村先生曰く、「逃げたい」という気持ちもまた原動力です。
「逃げちゃだめだ!」という思いがあり、苦しい現状から変われないまま日々を過ごしていませんか?
しかし、「逃げたい」という気持ちが力となり、前に進めるのであれば「逃げる」ことは自分にとってマイナスではありません。
自分で「逃げる」と決めたのであれば、それを自分でプラスにすれば良いのです。
中村先生のこの言葉を読んで、私はそう解釈しました。
「逃げたい」気持ちは、自分のその後の行動によってプラスにできるんだね
皆さんも「逃げたい」という気持ちを大事にして、それを力に変えましょう!
人生が思い通りにいかないあなたへ
それが「こうあらねばならない」という決めつけになって、頑固さになって、偏屈さになっていくと、柔軟性がどんどんなくなります。柔軟性がなくなると、自分のつらさが増していきますな。
『折り合いをつけてうまいことやる習慣』本文より抜粋
人生は自分1人のものではありません。
人生をどんなに緻密に計画したとしても、その通りにはいかないのは、周りの人間が自分の人生に関わってくるからです。
中村先生も、偶然出会った友人に、精神科の病院を紹介してもらったという経験があるようです。
そういった人との縁は計画には組み込めないもんね
もちろん、計画することが無駄というわけではありません。
しかし、計画には柔軟性という幅を持たせなければ、自分の可能性は狭まってしまいます。
柔軟性を持つことによって、思わぬご縁や幸運がやってきたときに、飛び込むことができます。
逆に「絶対にこうあるべき」と思っていると、思わぬご縁や幸運へ繋がる道は閉じてしまうのです。
柔軟性が大事というのは、人生設計にとどまらず、もっと身近な規模でも当てはまると思います。
相手に「こうして欲しい」という思いがあっても、相手は自分が思うとおりに行動してくれるロボットではありません。
相手が思い通りにいかないから、その人と関わらないようにする選択肢もまた、自らの人間関係の可能性を狭めてしまっています。
相手が思い通りにいかないことを踏まえた上で、柔軟性を持って日々生きていくべきではないでしょうか。
悲しいことや辛いことが忘れられないあなたへ
ウジウジとあれこれ考えないようにするには、暇をつくらないことに限ります。
元気で生きていられる時間は限られているんやから、過去のために使ったらあきません。
『折り合いをつけてうまいことやる習慣』本文より抜粋
悲しいこと、辛いことが忘れられないという経験は誰しもあるかと思います。
そんな時は、中村先生が言うように忙しく過ごすようにしましょう。
どんな感情も時間とともに徐々に薄れてきます。
であれば、薄れるまで、忙しく過ごすようにしましょう。
特に、人と話していると、そのことを考える時間が減るでしょう。
また、悲しいこと辛いことが仕事以外のことであった場合は、とにかく仕事に熱中するのも良いかもしれません。
忙しく生きるということは、今この瞬間に熱中して生きているということです。
今この瞬間を生きることで、結果的に過去を手放すことができるでしょう。
自分の無力感に苛まれているあなたへ
私の座右の銘の1つは、「一隅を照らす存在になれればよし」というものです。成功や活躍をせずとも、自分の置かれた環境で一隅を照らしていければええ。そんな考え方です。
『折り合いをつけてうまいことやる習慣』本文より抜粋
自分の無力感を感じることはありませんか?
こんな思いを誰もが持ったことがあるのではないでしょうか。
私も、芸能界やスポーツ界で活躍している同年代を見ると、自分の存在の小ささを感じることがあります。
成果を出している職場の同期とか、大きな仕事をしている友人とか見ても思うよ、、、
しかし、生きていく中で、誰もが脚光を浴びることができるわけではありません。
そんな現実に対して、「 一隅を照らす存在になれればよし」という言葉は、とても優しい響きを感じます。
華々しいスポットライトで多くの人を照らすのは難しいかもしれません。
しかし、職場や家庭、友人など、自分の周りを少しでも照らせるような存在になれれば、人生は幸せなのではないでしょうか。
皆さんはどう思いますか?
まとめ
中村先生の言葉・考え方を皆さんはどう感じたでしょうか?
中には、「人生への諦めじゃないか」と捉える方もいるかもしれません。
「自分はもっと大きな幸せをつかみたい」と。
大きな目標に向かって、様々なことを求めるのは悪いことではありません。
しかし、それで「イライラする」「幸せを感じられない」のであれば、本末転倒です。
大きな目標は、人生を充実させる手段であって、人生の目的ではないと私は思います。
「諦めるべきところは諦める」「折り合いをつける」ことが、人生の充実に繋がるのであれば、時にはそんな考え方も必要なのではないでしょうか?
本書は他にも
などあなたの気持ちを楽にしてくれるような考え方がたくさん詰まっています!
皆さんも読んでみてください!
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