【書評・要約】『瞬読』ー「瞬読トレーニング」で快適な読書ライフを
本を読むのが遅すぎて進まないし、全然内容を覚えられないよ
皆さんは本を読みながら、「もっと早く読めたらな~」と思うことはありませんか。
また、読もうと思って本を買ったものの、なかなか進まないうちに読みかけでほこりをかぶってしまっているという方もいると思います。
元々本を読むのが好きでも、より短い時間で内容も覚えられるとしたら快適な読書ライフが送れますよね。
でも、早く読めば内容の理解は浅くなるんじゃないの?
こう思う方もいるかもしれません。
私も以前はその認識があり、いわゆる「速読」に対しては懐疑的でした。
この「瞬読」に出会うまでは!
「速読に関心はあるけど難しそう」「でも早く読めることに憧れはある」
そんな方は是非ご参考ください!
目次
『瞬読』から学べること
1.「瞬読」と従来の速読の違い
2.右脳と左脳の働き
3.瞬読のトレーニング方法
他の速読法との違いから始まり、「瞬読」を理解するにあたって基礎となる右脳と左脳について知ることができます。
そして、最後にそのトレーニング方法が紹介されます。
また、この本の後半は実際に行うトレーニングの為のページです。
まずは、「瞬読」の仕組みをマスターし、あとはひたすらトレーニングを行うというわけです。
『瞬読』の内容
著者は、一般社団法人瞬読協会代表理事の山中恵美子さんです。
元々、学習塾を経営しており、その学習塾での勉強法の一環として速読を取り入れたそうです。
そしてそのことが、後に「瞬読」に繋がったというわけです。
つまり、「瞬読」の生みの親であり、スペシャリストであるというわけです。
他の速読とは何が違う?
皆さんは、速読についてどれくらい知っていますか?
試しにインターネットで「速読」と検索してみると、膨大な数の情報量が出てきます。
そして従来の速読法はこの2つに分類されるものが多いと言われています。
1.眼の動きを早くして字を読むスピードアップを図る
2.課題の設定、目次を読み込むなど事前準備をして読む
確かにこういう速読法は知ってる、試してきたという方もいるかもしれません。
しかし、これらの読み方には欠点があると著者は述べています。
1つ目に関しては、眼の動きには限界があり、また眼の疲労に繋がってしまうということです。
確かにいくら鍛えたとしても、眼球には限界がきてしまいますよね。
また、2つ目に関しては、できる人できない人の差が大きいこと、事前準備を前提する為、読書を始めるにあたって心理的なハードルが上がってしまうという点です。
確かに眼が疲れるのは嫌だし、事前にいろいろ考えるのは面倒かな~
もちろんこの2つが、速読法として間違っているというわけではないと思います。
しかし、何らかのデメリットがあり、人を選ぶ方法だと言えます。
そこで「瞬読」が登場するわけです。
「瞬読」とは
一言で説明すると、瞬読とは右脳を活用した読み方です。
読書の話なのに急に脳の話?
皆さんも、右脳と左脳については聞いたことがあるかと思います。
右脳・・・物事をイメージとしてとらえる感覚的な脳
⇒「イメージ処理」「全体的把握」「ひらめき」「創造的な発想」
左脳・・・言語や論理的な思考を司る脳
「言語」「計算」「分析」「論理的な思考」
違いが何となくわかりましたでしょうか?
つまり、瞬読とは、文章をイメージでとらえる読み方だということです。
瞬読の技術をマスターすれば、文字で書かれているはずの本の内容が、ビジュアルのイメージとして頭の中に流れ込んでくるように感じられるようになります。ですから、「瞬読での読書体験」はリアルな体験に近く、「むしろ忘れるほうが難しい」というわけです。
「瞬読」本文より抜粋
右脳は、イメージで記憶・認識して潜在意識に関わる部分の為、イメージ記憶として長期保存することができます。
右脳で読めば、読んだ内容を忘れにくいということです。
早く読むことと忘れないことは、一見トレードオフの関係に思えますよね。
でもそれは、左脳を使って本を読むことを前提としているからです。
「瞬読は頭の使う部分が違う」ということだったのです。
「瞬読トレーニング」のポイント
瞬読がどういうものか、何となくイメージはつきましたでしょうか?
左脳ではなく、右脳で読むというのが瞬読だということでした。
じゃあ一体どうすれば瞬読を身につけることができるの?
私も実際にトレーニングをしてみた点も踏まえて紹介していきたいと思います。
右脳を鍛える
瞬読するには、右脳を鍛える必要があります。
その為には、本を読むのではなく、見るようにすればいいのです!
いや本を見るって絵本じゃあるまいし
確かに字面だけでは意味不明だと思います。
つまり、文字を一文字ずつ読んで理解する左脳読みではなく、書かれている文字を一目見てイメージするということです。
一般的に、人は短い文字であれば、それを瞬時にイメージすることができます。
例えば、「読書」という2文字を見て、それを「読」と「書」に分解して理解する人はいません。
しかし、「私はよくベンチに座って読書をしています。」という文だとどうでしょうか。
「私は」「よく」「ベンチに座って」「読書をしています」と少しずつしっかり読んでから理解します。
しかし、右脳で読むとはこの文章を見た時に、瞬時に「ベンチに座って本を読んでいる」情景を思い浮かべることです。
つまり、最終的には長い文章でも瞬時にイメージできることを目標とするのが、瞬読トレーニングです。
「瞬読トレーニング」を実際にやってみた
この本に掲載されているトレーニングは実に簡単です。
1.変換力を鍛える⇒ばらばらになった文字を見て、瞬時に並べなおす
例)ごんり⇒りんご
2.イメージ力を鍛える⇒文章を見て、瞬時にイメージする
例)英語のテストで100点を取った⇒「英語のテスト100点の答案」を思い浮かべる
これくらいならできそうかも!
私もこの本を買ってから1日1回、一通りトレーニングしています。
並べなおすのは、少ない文字数だと簡単ですが、長いとかなり難しいです。
しかし、難しくて分からないと思った際に、じっくり考えてはいけないようです。
じっくり考えてしまうと、右脳ではなく左脳を使って読み解いてしまうのです。
瞬時にイメージするトレーニングは最初は戸惑いますが、いざ始めると段々慣れてきて途中から段々スピードアップできるようになりました。
だいだい1日10分くらいで一通り終わるので、負担は全く感じません。
「瞬読トレーニング」効果のほどは
本当にそれで本当に速く読めるの?
確かに1日10分で効果があるのかは、疑問に思われることでしょう。
しかし、実際私はすぐに「瞬読」の効果を実感することができました。
これまでの読書速度は、内容や文字の大きさにもよりますが、だいたい1時間100~150ページくらいでした。
しかし、瞬読の概念を知りトレーニングをした後に3冊ほど本を読んだところ、1時間で200ページを超えるスピードで読めると感じています。
明確に変わったのは、文章を読むのではなく見るという意識です。
隅々まで読み込むのではなく、文章を見てイメージしながら、そのイメージで本を理解していくことができるようになったと思います。
とはいえ、まだ始めたばかりで右脳をフル活用できていないでしょうから、今後もトレーニングを続けていこうと考えています。
どこまで速くなるのか
瞬読トレーニングを1時間半した結果、分速2万字以上のスピードになったという方もいるそうです。
分速2万字と言われても想像がつきにくいかもしれません。
日本人の平均速度は分速約600字と言われているようです。
つまり原稿用意1枚半くらいです。
そして2万字とは、原稿用紙ではなんと50枚分です!
途方もない数字ですね。
皆さんもそのレベルとは言わずとも、今よりも2倍でも3倍でも早くなれば、より良い読書ライフを送ることができるのではないでしょうか。
まとめ
でも本をそんなに早く読む必要なんてあるのかな?
確かに本の読み方は人それぞれです。
同じ本を繰り返し読む、じっくり読んで好きな1文を見つける、そんな読み方もあります。
しかし、本を早く読めるようになると確実に選択肢が増えます。
小説は1文をじっくり味わって読む、ビジネス書はすぐに実践したいから瞬読で読む、、、
このように読む本やタイミングによって速度は調整することができます。
早く読めるからといって、必ずしも早く読もうとする必要はありません。
しかし、できることが広がるのは誰にとっても喜ばしいことです。
皆さんが自分のなりの読書ライフを送る為に、是非「瞬読」を試してみてはいかがでしょうか。