【書評・要約】「内向型を強みにする」で自分らしい生き方を見つける
引っ込み思案でいつも消極的、みんなと楽しいことしてても疲れちゃうよ
皆さんはこのような悩みを抱えていませんか?
会社や学校などの組織や集まりで人気があり積極的で目立つ人がいますよね。
一方で、積極的になれず自己主張が苦手で、あまり目立たないタイプの人もいます。
特にこれらの差は、仕事になると顕著に表れてしまい、一般的に前者のタイプの方が仕事が出来ると評価されることが多いと感じます。
しかし私はどちらかと言えば、後者のタイプでした。
特に私の仕事は、様々な人とスピード感のあるコミュニケーション、積極的な相手への働きかけが必要な仕事だった為、それらが苦手であることに負い目を感じていました。
しかし、「内向型を強みにする」を読んだことで、自分の持っている特性を理解することができました。そしてその上で、無理せずに自分らしく生きるという方向を模索するようになりました。
内向型という言葉は聞いたことあるがよく分からない、自分を認めて自分らしく生きていきたいという方は是非ご参考ください。
目次
『内向型を強みにする』で学べること
- 内向型、外向型とは何か
- 内向型人間が社会で心地よく生きていく方法
- 外向型、内向型人間に対する付き合い方
このように見ると、この本は内向型の為に書かれた本という印象かもしれません。
しかし、内向型と外向型の人間がどのように付き合っていくのか、という点についても説明しています。
よって、職場や学校などの組織で、内向型人間とどのように円滑な関係を築くかを学ぶ上で外向型人間も読んでみて損はありません。
少しボリュームがありますが、中盤からは内向型人間の状況や関係性に応じた振る舞い方が説明されている為、まずは興味のあるところだけ読んでみても理解できる構成となっています。
『内向型を強みにする』の内容
著者はマーティ・O・レイニーというアメリカ在住の心理療法士で、内向型人間に関する研究の第一人者です。
そしてこの本は以下の構成で、内向型について理解を深めることができる内容となっています。
- 内向型人間の特徴、脳の働き
- 恋人、夫婦、親子、社交的な人付き合い、仕事における振る舞い方
- 内向型人間が自分らしく行きる方法
実践的な内容が多いので非常に参考になります。
内向型と外向型とは
皆さんは内向型、外向型という概念は知っていますか?
言葉のイメージから何となく想像してわかったつもりでいる人も多いかもしれません。
そこで、内向型、外向型のそれぞれのチェックリストを一部抜粋してみました。
外向型
・物事の中心にいるのが好き
・多様性を好み、単調だと飽きてしまう
・活動のあとは高揚し、もっと何かしたいと思う
・前もって考えなくても話したり行動したりできる
内向型
・自分ひとりか2.3人の親しい友達とくつろぐ方が好ましい
・たとえ楽しいことでも外で何かした後は休息が欲しい
・話したり行動したりする前に考えることが多い
・せかされるのは好きではない
いかがでしょうか。ちなみに私は内向型の特徴が当てはまります。
もちろん、全ての人が、極端にどちらかの特徴に偏っているわけではありません。
要するに、どちらの傾向がより強いかということです。
もし、もっと細かく自分の傾向を知りたいという方は、「内向型 診断」と検索してみてください。
いくつか診断テストが出てくるので、受けてみることをお勧めします。
さて、これらがそれぞれ外向型と内向型の特徴ですが、顕著な特徴として以下のことが上げられてします。
外向型・・・外の世界、様々な活動や人や場所やものからエネルギーを得ている。
内向型・・・アイデア、感情、印象といった自身の中の世界からエネルギーを得ている。
そして外向型人間は外に出て人と交わること、内向型人間は刺激の少ない環境にいくことでリフレッシュできるというわけです。
社会は外向型が多数派
外向型と内向型の比率は、外向型75%ー内向型25%です。
つまり、4分の3は外向型人間が占めているのです。
その為、社会は外向型人間が生きやすいように作られているとも言えます。
逆に内向型人間は、社会生活においてはその傾向が強いほど生きにくさを感じてしまうことになります。
皆さんの中にもこれまで苦しい思いをしてきた人もいることかと思います。
しかし、だからといって今から外向型に無理に変わろうとする必要はありません。
内向型は自分が内向型であることを認め、その長所を発揮できるように日々の生活で工夫すれば良いのです。
内向型が自分らしく堂々と生きる為の方法が、「内向型を強みする」には細かく紹介されているのです。
今日からできる内向型のためのテクニック
私自身も内向型人間としての立場で読み進めていき、様々な工夫を学ぶことができました。
その中でもすぐに実践できることをピックアップしてみました!
電話との付き合い方
内向型人間は、電話が苦手な人が多いのではないでしょうか。
私は仕事で電話をする機会が多かったので仕事中は仕方なく電話しています。
しかし、お店の予約やサービスの問い合わせなどの仕事以外の場面では未だに極力電話を使いたくないと思ってしまいます。
内向型人間が、電話を苦手とする理由としては、電話がくると気持ちの切り替えが必要、その場で即返答することが求められることなどが挙げられています。
電話への対処法
・できるだけその場で取らず、話す準備ができてから折り返しする
・「電話折り返しタイム」を設け、その時間内しか電話しない。
・次の予定が差し迫っていることを伝え、早めに切り上げる
・なるべくメールやメッセージを活用する
もちろん、仕事などの場合は上記の方法がとれるかについては状況次第ではあるかと思います。
ここで重要なのは、自分が電話が苦手であることに劣等感を持たないことです。
内向型人間として電話が苦手であることを自覚した上で、自分のエネルギーを消耗しない為に上記方法を少しずつ試しながら電話とうまく付き合っていくことが必要です。
できること、できないことの境界線をひく
内向型人間は、自分の時間やエネルギーの不足により活動できないことに罪悪感を感じてしまいます。
その結果、周りからの頼みや誘いを断ることができないという状況に陥ってしまいます。
内向型人間であれば、それで消耗してしまった経験は少なからずあるのではないでしょうか。
そんな時に意識するべきは、自分ができること、できないことを明確に分けることです。
そして分けた内容を元に、相手へできないことを先に伝え、できることをその後に伝えます。
断る際の言い回し
友人に飲み会に誘われた場合は・・・
今日は行けないけど、また今度ご飯行かない?
締め切りのある仕事を急に振られた場合は・・・
~の部分までは今日中にできるので、一度そこまで確認いただき、続きは今週中に終わらせます。
といった具合にできるというポジティブな内容を付け加えることで、不快感なく断ることができます。
ポイントは、できることできないことを普段から意識し、その境界を曖昧にしないことです。
自分の今持っている時間やエネルギー可能な範囲を認識しておくことで、適切に受け入れ、適切に断ることができるようになるでしょう。
安心できる環境を見つける
皆さんが一番落ち着くと感じる場所はどこでしょうか?
自分の部屋、図書館、カフェ、または綺麗な景色が見えるお気に入りの場所があるという人もいるかもしれません。
内向型・外向型に関わらず、自分が落ち着く・落ち着かない場所は誰しもあるかと思います。
そして、内向型人間は、情報過多にならない刺激が少ない場所を好むと言われています。
実際に私も勉強する時は、カフェよりも、図書館や自宅の部屋の方が集中できます。
カフェでも十分集中できる人もいるかもしれませんが、私の場合は周りの話し声や音楽などが気になってしまう為、より静かで刺激が少ない場所が必要だと感じます。
そして内向型人間は自分の避難場所をつくることが重要です。
外の世界に出て疲労しエネルギーを消耗した際に、英気を養うことができる場所を見つけましょう。
そうすることで定期的にエネルギーを回復し、自分のペースで暮らしていくことが可能になります。
避難場所を見つける際に考えるべきこと
・光・・・日なた・日陰どちらが良いか、自然光・電気の灯りどちらが良いのか
・色・・・落ち着く色はあるか
・音・・・音が全くない・自然の音(水の音など)・音楽のどれが心地よいか
・インテリア・・・ベッド・ソファ・椅子、どこで一番くつろぐことができるか
もちろんこれら全てを満たす必要はありません。
この中でも自分が重要だと思う項目に気を配り、自分が落ち着く場所や環境を探してみてください。
ちなみに私は、自然の光があり、音がなく、ソファがある場所が一番落ち着く為、本当に疲れた時には、音楽などはかけずに日当たりが良い自分の部屋のソファでくつろいでいます。
落ち着く場所は意識したことがあっても、光や色という要素まではあまり考えたことがないかと思います。
皆さんも、自分にとって落ち着く場所の条件を考え探してみる、または自分の部屋などを自分にあった条件に変えてみてください。
そうすることで、これまで以上にスッキリとリフレッシュができるようになります。
まとめ
私がこの本を読んで感じたメッセージは、内向型であることに誇りを持って生きていこうということです。
確かに、私たちの社会は外向型人間の方が評価されやすい傾向があります。
しかし、内向型人間は卑屈になり、無理に外向型と同じことをしようとする必要はありません。
内向型・外向型というのは1つの個性です。
その個性を大事にせずに、外向型向きの社会に振り回されてしまうことで、結果的に社会での活躍から遠ざかってしまうのでは元も子もありません。
私の場合は、このような良い意味での諦めが、自分を落ち着かせてくれました。
また外向型人間であっても誰しもが、内向的な側面も持ち合わせていると思います。
内向型・外向型の理解がより広まることで、一人ひとりが自分らしく生きることができる社会になって欲しいと思います。
内向型・外向型についてもっと理解を深めたいという方は是非読んでみてください。