【書評・要約】『嫌われる勇気』ーアドラー心理学から学ぶ幸せな生き方
人間関係に疲れた、、、周りと比べて自信ないし、そんな自分にうんざりしながらも変われる気がしない
皆さんは生活していく上でこんな悩みを感じていませんか?
上司が自分に対してはいつも機嫌が悪い
周りの人に比べて自分には~できない、などなど
私たちは日々周りの人間関係、他者との比較、自分への自信のなさに悩まされています。
その悩みを自分自身の成長の糧にできれば良いかもしれません。
しかし、実際には悩むだけでどうしようもなくモヤモヤとした日々を送っている人も多いかと思います。
私自身もこれまでそのようなことに大いに悩まされ、苦しんできました。
そんな私が偶然本屋さんで見かけたのが「嫌われる勇気」です!
この本に出会い、考え方を少しずつ変えていったからこそ今の自分があるのだと自信を持って言えます。
有名な本だし読んでみるか迷っている、という人は是非ご参考ください!
目次
『嫌われる勇気』で学べること
本書は「青年」と「哲人」の会話形式という構成の為、肩ひじ張らずに読み進められます。
「青年」が「哲人」の話に対して感じた疑問や納得いかない点などを指摘してくれます。
読者は「青年」と同じ目線で読んでいけば良いのです!
『嫌われる勇気』はどんな本?内容は?
本書は「アドラー心理学」の考え方をベースに書かれています。
心理学って聞くとなんか難しそうだな~
確かに一見難しい内容に思えるかもしれません。
しかし、本書の最大の特徴は、「アドラー心理学」を学問という堅苦しいものではなく、私たちの人生に即した内容として紹介されている点です。
思い悩む「青年」とアドラー心理学に精通した「哲人」が対話することにより、日常生活に落とし込めるように紹介されているのでご安心ください。
アドラー心理学とは
アドラー心理学という言葉は、昨今紹介する著書が増えてきたことにより、聞いたことがある人も多いかもしれません。
アドラー心理学は、オーストラリア出身の心理学者「アルフレッド・アドラー」によって20世紀初頭に創設された心理学のことです。
アドラーは、一度は耳にしたことがある「フロイト」や「ユング」といった心理学者を含め、世界的には3大巨頭と言われているようです。
アドラー心理学が目指す目標
アドラー心理学では、人間の心理面と行動面についてはっきりとした目標があると語られています。
そして本書は、上記目標を達成するにはどのようにすれば良いか、それを解説してくれるものです。
そして、その中には、私たちが当たり前だと思っていた概念や価値観などをひっくり返すような考え方がたくさんあります!
アドラーから学ぶ「嫌われる勇気」とは
本書では目から鱗の様々な考え方が紹介されています!
今回はその中でも私が気になったポイントについて触れていきます。
皆さんも、これまでどう考えていたかという視点で読んでみて下さい!
トラウマは存在しない
アドラー心理学では、トラウマという概念が否定されています。
え!? トラウマなんてないってこと?
トラウマは、過去に何か嫌なことがあったからそれが原因で、今そのことに苦しめられているという考え方です。
過去と現在は因果関係を持つというこの考え方は、何ら不思議ではないように思われます。
しかし、本書ではこの点は明確に否定されています!
自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。
『嫌われる勇気』本文より抜粋
つまり何か嫌な経験があったから、結果として自分が苦しんでいるのではなく、その経験に否定的な意味を付与することによって、自ら苦しくなる道を選んでいるということです。
過去が現在・未来を決めるわけではない
例えば、「パワハラにあって会社を退職し引きこもりになった」という経験を例にとってみましょう。
「パワハラにあう」という経験が原因となり、「引きこもり」という結果を生み出したという考え方です。
しかし、アドラー心理学では、「引きこもりたい」という目的がまずあり、その理由として「パワハラにあった」という経験を持ちだしているという考え方になります。
そんな酷なことを言わないでよ、、、
しかし、パワハラにあった全ての人が引きこもりになるわけではありません。
このような行動を選択する人もいるかもしれません。
過去の経験それ自体は、失敗の原因でも、成功の原因でもなく、その経験にどんな意味付けをするかによって過去を変え現在の自分も変わることができるというわけです。
確かに、同じ経験をしても前向きに行動する人・しない人がいるよね!
過去の~のせいで自分は、、、という考えがある場合は、過去の捉え方を見直してみることが重要です。
競争からおりる
アドラー心理学では、全ての悩みは「対人関係の悩み」という考え方に基づいています。
例えば自分に自信がない、自分に対して劣等感があるという悩みは、一見自分にベクトルが向いている悩みのようですが、これも考えてみれば対人関係の中で生じるものです。
「学歴が低い」「異性にモテない」などの劣等感は、周りに学歴が高い人や、異性にモテる友人がいるからこそ生じるものです。
つまり劣等感は、客観的な事実ではなく、他者との比較による主観的な解釈であるということです。
劣等コンプレックス
そして劣等感を何かの言い訳につかうことを、「劣等コンプレックス」という言葉で説明されています。
「学歴が低いから自分は成功出来ない」というのはまさに「劣等コンプレックス」です。
さてそんな「劣等コンプレックス」がある場合は、どうすれば良いのでしょうか?
本書の中では、「誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいい」と提示されています!
全ての人間は優劣はなく「同じではないけれど対等」で、「いまの自分よりも前に進もうとすることこそ、価値がある」と。
そんなの理想論だよ!競争から降りるってことは、負けを認めるってことじゃん!
しかし、競争には必ず勝者と敗者がいます。
競争の中に生きていれば他者をいつしか敵だと見なし、対人関係からの悩みから逃れることはできません。
逆に考えれば、他者との比較・競争から身をひいて、自分の道を前に進むことができれば、幸せに一歩近づくことができるのです。
劣等コンプレックスを感じる場合は、他の誰かではなく、昨日までの自分と比べるよう意識していきましょう!
課題の分離ー対人関係を楽にする方法
アドラー心理学では、他者の課題と自分の課題を分離し、他者の課題に踏み込まないということが対人関係の負担を減らすことに繋がると説明しています。
職場の人間関係について考えてみましょう。
職場の上司と話が中々通じず、いつも怒鳴りつけてくるという状況を想像してみてください。
そうなると肝心の仕事にも集中できないよね、、
こういった場合、自分の課題と他者(この場合は上司)の課題を分離する必要があります。
具体的には、上司が理不尽な態度をしてくるのは自分の課題ではなく、理不尽な感情に折り合いをつけるという上司自身の課題であると割り切ることです。
自分の課題ではないのにも関わらず、上司にすり寄ったり、理不尽な怒りに対して頭を下げる必要はないということです。
確かに明日から突然態度を一変させるのは、実際には難しいかもしれません。
ただし、ここで重要なのは自分ではどうしようもない上司の理不尽な感情に、必要以上に自分が思い悩んでも仕方がないということです。
馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない
他者にして欲しいことがある場合に、その人に行動を促すこと(水辺に連れていくこと)は自分の課題です。
しかし、その人がその行動をするか(水を呑むか)は、自分の課題ではない為、コントロールしようと考えないことです。
先ほどの例で言えば、上司に対して友好的に接することは自分の課題ですが、理不尽な感情は上司の課題であり、どうにかしようと思わないことです。
この考え方が、タイトルである「嫌われる勇気」の最初の一歩なのです!
まとめ
ここまでアドラー心理学の中でも興味深いポイントを紹介してきました。
共通しているのは、過去や対人関係に対して、自分がどのような考え方で捉えるかが重要だということです。
幸せになるには、自分の周りや環境を変えるのではなく、ものの見方から変える必要があるというのが、アドラー心理学の基本的なスタンスです。
私はこれまで、トラウマや他人と比較することについて、それが当たり前のものと疑わずに生きてきました。
しかし、そういった当たり前の考え方・認識が、知らないうちに自分が幸せから遠ざかる原因になっているのかもしれません。
私もこの本を読み、少しずつですが過去の経験や人間関係への捉え方を見直そうと思いました。
本書は他にも
幸せになるための考え方が詰まっています!
あなたも「嫌われる勇気」を読んで、いつの間にか染みついている当たり前の考え方を見直し、幸せな人生への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?