【書評・要約】『反応しない練習』ーブッダの教えで悩みから解放される

2022年3月18日

いつもネガティブでくよくよ悩んでしまう、、、

皆さんこんな悩みはありませんか?

ストレスの多い現代社会において悩みは一向に尽きることはありません。

「悩みが多いこと」それ自体がもう悩みになってしまいます、、、

「気がつくと、いつも不安な気持ちや嫌なことを思い出してしまう。」

「先のことや周りのことで悩みが尽きない」

そんな方に、本書「反応しない練習」は必見です!

悩む心に「反応しない」ようになることで、心が軽くなります。

是非、皆さんも悩まない心を手に入れましょう。

『反応しない練習』から学べること

1.人の悩みの種類
2.それぞれの悩みへの対処法
3.悩みから解放された生き方とは

本書は、人の悩みについてはっきりと分類し、その悩みへの考え方がそれぞれ紹介されていきます。

そして、悩みのない人生を送る為の、マインドを学ぶことができます。

本書は、仏教の教えに基づいている為、ブッダの教えが各所に散りばめられており、非常に説得力のある内容です。

『反応しない練習』の内容

著者は、東南アジアで仏教の教えを学び、現在はインドと日本で活動されている草薙龍瞬さんです。

日本では、実用的な仏教の「本質」を伝える活動に従事しており、特定の宗派には属していません。

本書は、仏教の考え方がベースになっていますが、それを前面に押し出した内容ではありません。

皆さんの、仕事や人間関係に寄り添った内容になっているのでご安心ください。

心の反応が悩みを生む

悩みという言葉に対して皆さんはどのようなイメージをお持ちですか?

仕事の不安、人間関係のストレスとかが思いつくな~

確かに悩みというと、その対象となる事象を思い浮かべますよね。

しかし本書では、悩みとは「心の反応」であると著者は述べています。

何かを考える。イヤなことがあって、つい腹を立てる。思い通りにいかない現実に、焦ってしまう。他人の目を感じて「何か悪いことをしてしまったのかも」と疑ったり不安になったりする・・・・これらは全て「心の反応」です。

「反応しない練習」本文より抜粋

つまり、どんな事象もそれ自体は悩みではなく、人の「心の反応」が悩みをつくり出しているというわけです。

だからこそ、悩みを減らす為に必要なのは「ムダな反応をしない」ことです!

3つの心の状態

反応しないって言われてもじゃあどうするの?

反応しない為の方法は、悩みを理解するに「心の状態を見る」ことです。

そして、心の状態を分類すると以下の3つに分けられます。

1.貪欲・・・過剰な欲求、求めすぎ、期待しすぎな状態。他人に求めすぎている。

2.怒り・・・不満、不快を感じている状態。機嫌が悪い、ストレスが感じている場合は「怒りの状態」

3.妄想・・・想像したり、考えたり、ぼんやりと何かを考えている状態。

この3種類のどれが今の自分の状態か確認することが第一歩です。

つまり、「自分は今怒りの状態にいる」と自覚することです。

そして、反応しない為には、その「怒りの状態」をただ見ることです。

「今自分は怒っているんだ~」と思うだけで、それ以上考えず、ただ見続けることで、「反応しない」ことが重要になります。

妄想という厄介もの

ちなみにこの3種類の中で、一番厄介なのは妄想かもしれません。

妄想は、無意識のうちにハマってしまい、後から妄想だったことに気づくからです。

皆さんも、わけもなく「これからの不安」「過去の悲しい出来事」「あれもこれもやらなきゃという焦り」などを思い浮かべてしまい、考えが止まらなくなってしまうことがあるかと思います。

そのような妄想をリセットするには、「今、妄想している」と客観的に確認する必要があります。

そしてその為に有効なのが、「カラダの感覚」に意識を向けることです。

「カラダの感覚」とは、呼吸する際の「お腹が膨らむ感覚」や歩いているときの「足裏の感覚」などです。

散歩中や電車の中などでは、これらの「カラダの感覚」を意識し続けることで、妄想が止まらない状態から離れることが可能になります。

妄想しがちだな~と思ったら、是非意識してみてください!

そして、本書を理解する上で、この妄想という概念が最も重要だと言えます。

本書で紹介されているそれぞれの悩みへの対処法についても、それが妄想であるということがベースとなってします。

自分の心の状態を見て、客観的に「これは妄想である」と状態が分かる。

そうすれば、それぞれの悩みがなんであろうと、妄想をやめるだけで大部分の悩みを軽くすることができるでしょう。

ブッダから学ぶ、反応しない方法

全ての悩みは、それがどんな心の状態かを確認することが、重要だということでした。

それでは、それぞれの悩みに対して、興味深いと思った内容を紹介していきます。

判断しない

皆さんは、ムダに物事を判断していませんか?

「自分なんて」という自虐、「失敗」「運が悪い」などの失望、「失敗するかもしれない」という不安、「あの人は嫌い」などの人物評など全ては自分の判断です。

逆に、「自分は正しい」「自分はえらい」という肯定も、自分の判断です。

そして、そういう判断が、長期的に見れば悪い結果を生み出してしまうのは、想像に難くないのではないでしょうか。

事実や自分や他人の存在自体に良いも悪いもありません。

それらを人が「判断してしまう」から悩みが生まれてしまうのです。

判断しない方法

でも判断しないって言われても難しいな、、、

方法は以下の3つです。

1.判断したと気づく
2.自分は自分と考える
3.素直になる

まず、自分が判断したと気づく必要があります。

「今~が良くないと判断したな」と感じることです。

常に自分が判断していないか疑問を持ちながら生きていくようにしましょう。

そして、世間の比べること、評価することに対して、耳を傾けないようにしましょう。

判断から足を洗う為には、世間の声に流されて判断することをよしとしないことです。

3つ目の方法は、「自分が正しいはずだ」という判断で結果的に周りとの軋轢に苦しむ人に有効です。

素直になることで、周りとの関係も良好になると述べられています。

私もこれまで様々なことを良くも悪くも判断してしまっていたと思います。

しかし、実はその判断の1つ1つが私自身を苦しめる悩みになっていたのかもしれません。

皆さんも判断したと気づく習慣から始めてみてはいかがでしょうか。

相手ではなく、記憶に怒っている

職場で喧嘩して、今思い出しても腹が立ってイライラするけどどうしたらいいんだ!

昔のことを思い出して、腹が立ったり嫌な気分になることはありませんか。

いつまでもその人の悪いイメージが残ってしまうことがあります。

しかし、その際に自分が反応しているのは、相手本人ではなく、自分の記憶そのものです。

例えば、上司と意見が合わず言い合いになったという状況を想定してみます。

上司とその場で言い合っている最中は、上司への怒りです。

しかし、その後そのことを思い出しても気持ちが続く時は、記憶の中の上司に対して怒っています。

つまり、上司ではなく、自分の記憶と対峙して怒りをつくっているのです。

そう考えると、その怒りは自分がつくり出しているものであり、どうしようもないものではありません。

相手はいつも「初めてあった人」

またその上司と、次に会うことを想定してみましょう。

また会ったら嫌な気持ちになるだろうと思うでしょう。

しかし、著者は「次に会うときは新しい人である」と述べています。

自分自身さえ、心はコロコロと変わりつづけています。相手だって同じです。人は、互いにコロコロと変わりつづける心で、いつも新しく出会っているのです。

「反応しない練習」本文より抜粋

つまり、心は変わり続けているのであれば、その上司と次会う時はお互いに別人として会うつもりでいましょうということです。

その発想はなかった!

確かに、人は気分も考えもずっと一貫しているわけではありません。

上司だって、家族と充実した時間を過ごしたとか、仕事の成果が出たとか、さらには天気が良いというだけで気分が変わっていることもあります。

怒りを感じるあの人は、既に過去の記憶にしかいないのです。

この考えを持つことで、少しでも対人関係のイライラは減るのではないでしょうか。

心は満たされない

人は様々なことに反応し、さまよい、いつまでも満たされないのが現実です。

そして、満たされない心を満たそうとしても、さらに様々な悩みを抱えてしまいます。

そんな中で、私たちはどのように生きていけばいいのでしょうか。

本書での答えは、「満たされない現実に苦しまない心の持ちようを目指す」です。

現実は続く。人生は続いていく。そうした日々の中にあって、せめて自分の中に苦しみを増やさない、「納得できる」生き方をしようーそう考えるのです。

「反応しない練習」本文より抜粋

皆さんも求めても求めても変えられない現実に悩まされていませんか?

そして、それでもその現実を変えようともがいているかもしれません。

しかし、それでもどうしようもないとしたら、、、

その時は、人生をかけて現実に苦しまない心の持ちようを目指しましょう。

私としては、この「現実を認めてその現実にどう悩まないようにするか」という心の持ちようは非常に納得できるものでした。

まとめ

この本を読んで、すぐに悩みが0になるかといえば、そうではないかもしれません。

具体的な現実に対する対処法というよりも、現実に対する考え方の教えだからです。

心に落とし込むには、日々の考え方の癖を見直し、修正していく必要があります。

地道で大変な道のりかもしれませんが、「反応しない」で現実に苦しまない人生を送りましょう。

著者の考え、仏教の教えについてもっと詳しく知りたい方は、是非読んでみてください!